大月さんは、2015年よりDayzにてバックオフィス全般を担当。その業務は人事・労務・経理・総務・庶務など多岐にわたります。コロナ禍により勤務がほぼリモートに移行。現在の実労働時間は、週に2日(半日勤務×2+1日勤務)で、出社は月に2回程度です。Dayzの業務に加えて、実家を手伝い主婦業もこなす大月さん。その全てを「無理のないペースで」行えるようにコントロールしています。自分にとって理想の働き方をするために、これまでキャリアを積み重ねてきた結果です。今回は、大月さんのこれまでの働き方と、Dayzでこれから求められる「スラッシュワーカー」の在り方についてお話を伺いました。20代で営業職から人事労務のエキスパートを目指し社労士試験にチャレンジ─ 大月さんがDayzで働くまで、どのようなお仕事をされてきたのかを教えていただけますでしょうか?大月:新卒で入社したのは大手企業調査会社です。営業部に配属され、主に法人営業を担当していました。やりがいがある仕事でしたが、5年ほど勤務したころに考えるようになったのは「ずっと営業職をやっていていいのかな」ということ。これからの環境の変化に対応できるように「他の仕事もできた方が良い」と思うようになったんです。─ 大手企業なら、産休や育休などライフプランに沿った働き方も提供されていると思いますが、そのまま会社に居続けることは考えなかったのでしょうか?大月:新卒で配属された時は、自分にどんな仕事ができるのか、向いているのかわからないままでした。しかしそれなりに働いてみると、自分が「やってみたい仕事と現在の仕事のギャップ」も気になるようになってきたんです。― 確かに、現職の経験が長くなればなるほど、自分が「やってみたい仕事」があったとしても、畑違いの部署への異動は難しくなりますよね。大月:自分が興味を持つようになったのは、営業とは全く異なる「人事労務」の仕事でした。当時の自分が考えたのは「このまま営業職を極めるよりも、業種を問わずどの組織でも求められるスキルがあれば、将来的に会社を退職しても役立つ」ということ。私は本当は事務職志望だったんです。営業をしていても好きな仕事は見積書などの書類作成で、細かいチェックも得意でした。しかし、事務職への異動も転職も「経験ありき」なので、希望する仕事の経験を早めに積む必要があります。経験がない自分でも人事部門に行くためにはどうしたらよいか考えて、退職して社会保険労務士の試験を受けることにしたんです。幸いなことに、転職のために登録した人材エージェントで営業事務として採用され、試験合格後に人事部への異動が叶いました。ライフステージの変化に合わせた「My 働き方改革」― 希望していた人事労務の仕事ですが、実際にやってみていかがでしたか?大月:私が所属していた企業は3500人くらい社員がいましたので、業務ごとに担当が決まっていました。例えば、入退社手続きの担当になったら、ひたすら同じ業務をこなすことになります。そこでわかったのは、大量の事務処理を正確にこなすことは、自分にとっては「できる仕事」だったことです。仕事は大変でしたが、そこでは限られた時間内で効率的に作業をこなすための「仕事の組み立て方」も鍛えられたと思います。その企業で業務ローテーションを一通りこなした後、行政機関に転職しました。それまでの仕事を別の視点から見てみたかったんですね。おかげで「なぜこの書類が必要なのか」「この手続きで不備が生じやすいのはなぜか」というように、違う角度から仕事に対する経験を深めることができました。― Dayz風にいうと「法人営業」と「人事労務」の仕事をここでスラッシュさせていますね。大月:営業は向き不向きがあるように言われますが、人や企業に「自分」を売り込むのは、突き詰めると「コミュニケーション」なので、どんな仕事にも不可欠だと思います。私は、自分の適性から考えて事務職にキャリアの舵を切りました。これは、営業時代に培った社内外との対応方法や、仕事の回し方などのスキルがあったからです。― キャリアを見直して転職され、いろいろな組織や業種を経験されて、どのようなことが良かったと思っていますか?大月:自分の「希望」と「適性」の見極めを早いうちにしておけたことです。家庭の事情でフルタイム業務が厳しくなり退職したのですが「フルタイムは無理でも、自分にできることで働きたい」と思ったときに、これからの自分のしたい仕事と働き方が具体的にイメージできました。その時、ちょうどDayzの募集が目に留まったんです。自分が「Dayzで働きたい」と思った理由は……― 社労士試験に合格し、人事労務の実務経験もあるのなら、いろいろな求人があったのではないでしょうか。どうしてDayzで働くことになったのですか?大月:一番の決め手は面接でした。コロナ前の採用は対面での面接だったのですが、私が入った瞬間、社長の玉城さんと前任の事務の方、面接担当のおふたりがそろって立ち上がって出迎えてくれたんです。おふたりの姿勢を見て、「ああ、この会社は一緒に働く人に対して役職に関係なく対等に接してくれるんだ」と実感し「一緒に働きたい」と強く思いました。― 実際にDayzで働いてみて、仕事内容はいかがでしたか?大月:現在は、業務委託の方も含めて20~30人の方にまつわる人事労務、請求・支払などの経理や、補助金申請などバックオフィス全般をおこなっています。バックオフィスというと、定型業務ではないかと思われるかもしれませんが、およそ7割はイレギュラーな業務です。税理士や社労士、中小企業診断士など、外部の士業の方とお話しする機会も多くあります。パートタイマーのような勤務時間でありながら、会社の顔として専門家の方とお話しできるのは、これまで「人事労務のエキスパートになりたい」と考え、いろいろな経験を積んだおかげです。現在のバックオフィス業務について、新たな経験と知識を得られるので、とても勉強になります。― Dayzがほかの組織と違うのはどんな点ですか?仕事は納期が提示されるだけで、マイクロマネジメントが一切ないことにびっくりしました。私は雇用メンバーとして働いていますが、業務委託に近い働き方なのではないでしょうか。最初は戸惑いましたが、こちらから相談したり意見を言うのは本当に自由で、心理的安全性がきちんと担保されています。現在の、週に2日は半日、週に1日は全日勤務という勤務体系も、自分が働きやすいように時間を調整した結果を玉城さんにお伝えして、それがそのまま通った形です。「自分が提供できる強み」「Dayzでやりたいと思うこと」を言語化できる方― 大月さんは、Dayzに関わって来た方とバックオフィスの立場で接点を持ってこられたわけですが、Dayzに向いている方はどのような方だと思いますか?大月:Dayzがやっていることに対して興味を持つだけでなく「自分が提供できる強み」と「Dayzでやりたいと思うこと」がしっかり見えていて、それを言語化できる方でしょうか。例えば、別のインタビュー記事に登場されている畠山さんは、Dayzで働くことにとてもフィットした方だと思います。― インタビューに登場した畠山さんは現在フリーランスですが、企業に所属しながら副業や複業として携わっている方も多いのでしょうか?大月:そうですね。社長の玉城さんに「こういうことをやってみたい」と提案・相談しながら、自分の希望する仕事にプロジェクトとして関わって経験を積み、所属企業での異動に活かしたいと考える方もいらっしゃいます。「求人情報ページ」の「今あってみたい人」に職種なども書いてありますが、あくまで一例です。現在の状況がどうあれ、DayzのサービスやWEBサイトを見て「自分の持つスキルを使えばもっと良くなる」「こういうサービスを新たに作ってみてはどうか」とどんどん提案できるような方が求められていると思います。ある意味、自分が本当に希望職種に向いているのかどうかをDayzで経験を積みながら実験しているともいえますね。過去の私は「退職して社労士試験に合格する」と突っ走りましたが、そんなリスクを取らなくても違う職種に挑戦できるのは、少し羨ましい気もします。― 組織内だと「どんどん提案してほしい」と言われても、実際に意見すると冷遇されたりということもよくありますが……大月:それぞれの組織に適応する働き方があるので、一概にはいえませんが、Dayzでは自分の意見を遠慮して言わない方だと、ちょっと難しいかもしれません。逆に考えると、本当は改善提案したいことがあるけれど、いまの組織では自分の意見を言いづらい状況にある方が、Dayzで挑戦してみるのは新たな道を発見する可能性に繋がるのではないでしょうか。― コロナ禍を経て、大月さんもリモートがメインになりましたし、Dayzでもリモートで参画されている方が増え、選択肢も広がりましたね。大月:確かにその通りです。Dayzでも新たな出会いが広がるのではとワクワクしています。事務担当としては、できれば請求書などの事務処理や書類作成が得意な方だと、なお嬉しいですね(笑)